須賀敦子その2 霧のむこうに住みたい
2005.08.24 (04:36) livre, magazinetrackback(1)comment(4)
涼しい、雨の夜ですね。

先日フト、「たまには違う作家の本でも読むか。」と
三作続けて読んだ重松清に、別れを告げて、
違う小説を物色していたんですが、
特にナニも読みたくないんですよ。
もう一作、重松清ワールドに浸るのは、彼のことを消耗してしまうカンジがして、
しかも、重たいモノはイヤだったし。
30分くらいウロウロして、
「あぁ、須賀敦子だ。」と、気づきました。

以前、千代田区の図書館で、彼女の本は借り尽くしていたので、
同じものでも買って読んでみてもイイかな、と思って、エッセイコーナーに向かいました。
「霧のむこうに住みたい」という、
今まで本にされていなかったエッセイを集めたモノがありました。
まるでドラえもんが残してくれた、USO エイトオーオーのように、そこにありました。
やはりそこには、変わらない、あっさりした優しさの、彼女の思い出話がありました。

彼女の書くエッセイは、記憶というよりも、
過去の出来事を、彼女の中で消化してからでてきた、
暖かい息とともに出てきた言葉のようだ、
といったらクサイですかね。
記憶って、ナマナマしい時は、それが日常だと思っていても、
薄れ始める頃、フト、思い出した時、
あぁ、こんなことがあったんだな、って思ったり。

彼女の本は河出書房から出ているモノがケッコウあるのですが、
装丁がとてもイイです。
船越桂さんの彫刻の表紙もいいのですが、
個人的には河出書房の絵画の表紙(トリエステの坂道)が好きですね。

仕事がら、何かをつくる時に、
みんなの意識がひとつの方向を向いていると、
とてもしっくりくるんですが、
河出書房の表紙は、そんなカンジです。

kirinomukou.jpg

この画像、霧のむこうに、木に囲まれた家があるという、
かなり直接的な写真なのですが、
これが帯になっていて、
これをはずすと、その家の中なのか、
誰かが住んでいたはずの食卓の写真になります。

「心に残る荒れた風景の中に、
ときどき帰って住んでみるのも、
わるくない。」
ので、ときどき帰って、新しい本を出してくれるといいなぁ。

ちなみになんかおもしろい本ないかなー、
なんて思ったらココ
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